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奈留島世界遺産ガイダンスセンター|江上天主堂の物語をひらく、島旅の最初の一室
資料館

奈留島世界遺産ガイダンスセンター|江上天主堂の物語をひらく、島旅の最初の一室

〒853-2201 長崎県五島市奈留町浦1815番地3 五島市役所奈留支所庁舎内
潜伏キリシタン
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奈留島
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OVERVIEW

奈留港から歩いて約10分。五島市役所奈留支所と同じ建物に、奈留島世界遺産ガイダンスセンターがあります。

白を基調とした平屋の建物は、世界遺産の拠点施設としては驚くほど控えめです。

けれど、その扉の向こうには、長い禁教の時代を生きた潜伏キリシタンの祈りと、世界文化遺産「奈留島の江上集落」を読み解くための手がかりが詰まっています。

信徒が大切に守ってきた「おらしょ」や「日繰帳」、マリア観音像、信仰具として用いられたアワビの貝殻。

さらに、江上天主堂の柱頭部分を再現した原寸大模型や、世界遺産を紹介する大型映像、奈留島の観光スポットを探せるテーブルマップも展示されています。

江上天主堂を見た後に歴史を振り返る場所としても楽しめますが、最もおすすめしたいのは、島を巡る前に立ち寄ること。

ここで得た知識は、江上天主堂の白い壁や水色の窓、周囲を流れる水、海に近い谷間の地形を、単なる美しい風景から「人々が信仰を守った場所」へと変えてくれます。

奈留島の旅は、この小さなガイダンスセンターから始めてみてください。

江上天主堂へ向かう前に、立ち寄りたい理由

江上天主堂は、白い板張りの外壁と淡い水色の窓枠が美しい、奈留島を代表する木造教会です。

その可憐な姿だけでも心を引かれますが、建物を眺めるだけでは、世界遺産として評価された本当の理由を十分に理解することはできません。

世界文化遺産に登録されているのは、江上天主堂という建物だけではないからです。

正式な構成資産名は「奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)」。

海に近い谷間へ移住した潜伏キリシタンが、限られた土地を開き、共同体を築き、信仰を受け継いだ歴史と、その暮らしを支えた地形や水路、集落、教会堂が一体となって評価されています。

ガイダンスセンターでは、江上集落がどのように形成されたのか、潜伏キリシタンがなぜ奈留島へ渡ったのか、禁教が解かれた後に信仰がどのように変化したのかを、パネルや映像でたどることができます。

背景を知ったうえで江上集落へ向かうと、天主堂の見え方は大きく変わります。

なぜ人里離れた谷間に建っているのか。

なぜ床が高く造られているのか。

なぜ周囲に水路や石垣が残されているのか。

建物の一つひとつの特徴が、奈留島の風土と人々の暮らしにつながっていることに気づくでしょう。

12の構成資産を、一つの物語として知る

2018年に世界文化遺産へ登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、長崎県と熊本県に点在する12の構成資産から成り立っています。

原城跡、10の集落、大浦天主堂。

それぞれの場所が、キリスト教の禁教と弾圧、宣教師が不在となった時代、密かな信仰の継承、移住による共同体の維持、宣教師との再会、そして信仰の復帰までを物語っています。

ガイダンスセンターでは、その12の構成資産をパネルや大型映像で紹介しています。

一つひとつを別々の観光地として見るのではなく、約2世紀半にわたって続いた独特の宗教的伝統を伝える、一つの大きな物語として理解できる展示です。

奈留島の江上集落が示しているのは、潜伏キリシタンが共同体を維持するために、どのような場所を移住先として選んだのかということ。

外海地方などから五島列島へ渡った人々は、既存の集落から離れた海辺の谷間を開拓し、周囲の社会に溶け込みながら、ひそかに祈りを受け継ぎました。

やがて禁教が解かれると、江上の信徒はカトリックへ復帰します。

そして1918年、信徒たちがキビナゴ漁などで得た資金を出し合い、現在の江上天主堂を建設しました。

潜伏しなければならなかった信仰が、目に見える教会堂となって集落に現れたこと。

江上天主堂は、長く続いた「潜伏」の終わりを象徴する建物でもあるのです。

小さな信仰具が伝える、密かな祈り

館内で特に目を向けたいのが、信徒によって所蔵されてきた信仰関係の資料です。

展示されている「おらしょ」は、潜伏キリシタンが受け継いだ祈りの言葉を文字にしたもの。

宣教師がいない時代、人々は祈りを口伝えで次の世代へ伝えました。長い年月の中で発音や言葉が変化しながらも、その祈りは家族や共同体の中で守られてきました。

「日繰帳」は、祈りや宗教上の祝日を守るために用いられた教会暦です。

現在のようにカレンダーや教会からの案内を簡単に得られない時代、共同体の役職者は暦を読み、祈りや行事を行う日を人々へ伝えていました。

一冊の小さな帳面から、信仰を組織的に守ろうとした人々の姿が見えてきます。

マリア観音像やアワビの貝殻も、潜伏期の信仰を考えるうえで印象的な展示です。

キリスト教に関係する像や道具を堂々と持つことができなかった時代、人々は観音像や自然物など、日常の中にあるものへキリスト教的な意味を重ね、祈りを託しました。

華やかな聖具ではありません。

一見すれば、どこにでもありそうな像や貝殻です。

だからこそ、信仰を周囲に悟られず、暮らしの中へ隠して守った人々の知恵と切実さが伝わってきます。

江上天主堂の細部を、原寸大で観察する

ガイダンスセンターを象徴する展示の一つが、江上天主堂の柱頭部分と装飾帯を再現した原寸大模型です。

江上天主堂の内部は、中央の身廊と左右の側廊からなる三廊式。天井には木製のリブが連なるリブ・ヴォールト天井が設けられ、柱や窓には島の職人や信徒による手仕事が残されています。

しかし、現地は現在も大切に使われている祈りの場所です。

堂内での写真や動画の撮影は禁止され、見学時間にも限りがあります。高い位置にある柱頭や装飾を、その場でじっくり観察することも簡単ではありません。

原寸大模型なら、江上天主堂の部材の大きさや、木造で西洋風の教会空間を表現した工夫を、間近で確かめることができます。

模型を見てから実際の天主堂へ向かえば、「ガイダンスセンターで見た部分はどこだろう」と、建物の細部を探す楽しみも生まれます。

館内には、かつて江上天主堂の屋根に葺かれていた瓦なども紹介されています。

白と水色の可憐な外観だけでなく、建物を構成する材料や職人の技術へ目を向けるきっかけになるでしょう。

大型映像でたどる、潜伏キリシタンの歴史

館内には、約120インチのスクリーンを使用した映像展示があります。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の成り立ちや価値を、文章だけでなく、写真や映像を通して理解できるコーナーです。

潜伏キリシタンの歴史は、伝来、繁栄、禁教、弾圧、密かな継承、移住、宣教師との再会、信仰の復帰と、長い時間にわたります。

初めて触れる人にとっては、時代や場所の関係が少し複雑に感じられるかもしれません。

映像で全体の流れをつかんでから展示パネルを見ると、一つひとつの資料がどの時代に関係するのかを理解しやすくなります。

歴史に詳しくなくても心配はいりません。

まずは映像で大きな物語を知り、その後に気になった信仰具や江上集落の展示をゆっくり見る。

そんな順番で巡ると、無理なく奈留島の歴史へ入っていけます。

テーブルマップで、次の目的地を探す

奈留島世界遺産ガイダンスセンターは、歴史を学ぶ資料館であると同時に、島内観光の情報拠点でもあります。

館内のテーブルマップには、奈留島の観光スポットや店舗などがまとめられています。

世界遺産の江上天主堂をはじめ、千畳敷、小田河原展望台、ユーミンの歌碑、宮の浜海水浴場、笠松宏有記念館など、これから訪ねたい場所の位置関係を確認できます。

五島各地の観光スポットをゲーム感覚で紹介する「五島ビュースコープ」もあり、子ども連れや、歴史展示だけでは少し緊張してしまう人も楽しみやすい構成です。

奈留島は入り組んだ海岸線を持ち、目的地によって進む方向が大きく異なります。

船の時間が決まっている日帰り旅行では、出発前にルートを整理しておくことが大切です。

ガイダンスセンターで地図を見ながら予定を確認すれば、移動の順番を考えやすくなります。

スマートフォンが音声ガイドに変わる

館内では、多言語Wi-Fi音声ガイド「jaj.jp」を利用できます。

手持ちのスマートフォンを施設内のWi-Fiへ接続し、展示の解説を無料で聞くことができる仕組みです。

文字を読むだけでは分かりにくい歴史や資料も、音声を聞きながら見ることで理解しやすくなります。

海外からの旅行者と一緒に訪れる場合にも便利です。

利用する予定がある場合は、充電を済ませたスマートフォンとイヤホンを用意しておくと、周囲を気にせず自分のペースで展示を楽しめます。

接続方法や対応言語は、館内の案内を確認してください。

知識が、江上集落の風景へ変わる

ガイダンスセンターで学んだ後は、ぜひ江上天主堂へ向かってみてください。

センターから江上地区までは、車で約15〜20分が目安です。

港周辺の町並みを離れ、トンネルを抜け、海沿いの道から緑深い谷間へ入っていくと、木々の間に白い天主堂が見えてきます。

ガイダンスセンターを訪れる前なら、「森の中にあるかわいらしい教会」と感じるかもしれません。

けれど、展示を見た後には、その周囲にあるものまで目に入るようになります。

谷間へ集まる水。

湿気を逃がすために高く造られた床。

海風を和らげる木々。

集落を築くために開かれた、わずかな平地。

信徒が力を合わせて建てた教会堂。

一見すると静かな風景の中に、移住、開拓、信仰、暮らしの歴史が幾重にも重なっていることが分かります。

ガイダンスセンターは、展示を見て終わる施設ではありません。

館内で得た知識を持って島へ出て、現地の風景から歴史を読み取るための「入口」なのです。

雨の日にも頼れる、奈留島の屋内スポット

奈留島の見どころは、海岸や展望台など屋外の場所が中心です。

そのため、雨や強風で予定していた海辺の散策が難しくなった日にも、奈留島世界遺産ガイダンスセンターは心強い存在です。

映像やパネルを眺め、信仰具をじっくり観察し、テーブルマップで旅程を組み直す。

天候が回復するまでの時間を、島への理解を深める時間に変えられます。

入館料は無料です。

展示を一通り見るだけなら30分ほど、映像や音声ガイドまでゆっくり楽しむなら45分から1時間ほど確保しておくとよいでしょう。

船の出発まで少し時間が余ったときにも立ち寄りやすく、奈留島へ到着した直後にも、旅の最後にも利用できます。

訪問前に知っておきたいこと

開館時間は9時から17時までで、最終入館は16時30分です。

観覧料は無料。駐車場とトイレもあります。

休館日は、1月から6月および11月から12月の毎週月曜日です。月曜日が祝日の場合は、翌日が休館となります。

7月1日から10月31日までは月曜日も開館します。

年末年始の12月29日から1月3日までは休館。そのほか、展示替えや施設管理などにより臨時休館となる場合があります。

写真や動画の撮影可否は、展示資料や利用目的によって異なる可能性があります。撮影する前に受付で確認してください。

また、ガイダンスセンターへの入館と、江上天主堂の内部見学は別の手続きです。

江上天主堂は現在も祈りの場所として使用されているため、内部を見学する場合は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」への事前連絡が必要です。

ガイダンスセンターへ立ち寄っただけでは、天主堂の見学予約にはなりません。船便、島内の移動手段、天主堂の予約時間をまとめて計画しておきましょう。

LOCATION

立地

アクセス

【奈留港から】

奈留ターミナルから徒歩約10分です。

車やタクシーでは約3分が目安です。五島市役所奈留支所と同じ建物を目指してください。

施設には駐車場があります。

【福江港から奈留港まで】

福江港から奈留港までは、高速船またはフェリーで約30〜45分です。

便や経由地、使用船舶によって所要時間が異なります。最新の時刻表と当日の運航状況を確認してください。

【江上天主堂へ】

ガイダンスセンターから江上天主堂までは、車で約15〜20分が目安です。

江上天主堂の内部見学には事前連絡が必要です。ガイダンスセンターの見学時間と天主堂の予約時間に余裕を持たせてください。

【島内観光】

ガイダンスセンターまでは奈留港から徒歩で向かえますが、江上天主堂や千畳敷、小田河原展望台などを巡る場合は、レンタカーまたはタクシーの利用が便利です。

車両数に限りがあるため、船便とあわせて事前に手配しておくことをおすすめします。

NOTES

備考

  • 観覧料は無料です。
  • 最終入館は16:30です。
  • 駐車場があります。
  • トイレがあります。
  • 「おらしょ」「日繰帳」、マリア観音像、アワビの貝殻などの資料が展示されています。
  • 江上天主堂の柱頭部分と装飾帯を再現した原寸大模型があります。
  • 約120インチの世界遺産紹介映像、奈留島のテーブルマップ、五島ビュースコープなどを利用できます。
  • 多言語Wi-Fi音声ガイド「jaj.jp」を無料で利用できます。
  • 展示資料には手を触れず、館内の案内に従って見学してください。
  • 写真・動画撮影の可否は、撮影前に受付で確認してください。
  • 江上天主堂の内部見学には、ガイダンスセンターとは別に事前連絡が必要です。
  • 江上天主堂の内部では、写真・動画を撮影できません。
  • 臨時休館となる場合があるため、訪問前に公式情報を確認してください。
  • 奈留島へ向かう船は、天候により遅延・欠航する場合があります。

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